2016年8月28日日曜日

至急、車イスや自転車が通れるスロープを設置してください

5月9日の仮囲い(鋼板)設置以来、住民は生活に支障の少ない通路を要望してきました。東京都都市整備局は、8月24日突然、従来の通路を廃止して北側出入り口の開通を通告してきました。北側通路は車道までのアプローチが短いなどの利点がありますが、5段の急階段があります。住民は車イスや自転車の使用が必須のためスロープ設置を求めました。しかし、8月27日に大成建設によって設置されたスロープは階段と変わらない急勾配のものでした。車イスや自転車ばかりか、歩行者ですら滑りやすく危険です。また、夜間は照明もなく暗い未舗装の通路を歩くことなり危険です。都市整備局は、至急、住民の要望や生活を考慮したスロープを設置してください。

(以下、専門家のコメント)
東京都都市整備局は「バリアフリー条例」により共同住宅のアプローチは高齢者や障害者も暮らしやすいようにスロープの勾配を、最低でも1/12、外部は1/15と自ら定めて指導している立場でありながら、危険な勾配のスロープを設置させました。
これまで使っていた南側のアプローチは建物の前まで緊急車両が入ることができましたが、変更したアプローチはそれもできなくなります。
解体工事が始まってから既に2回救急車の出動があり、医療関係者の車両も定期的に来ています。

******
(9月3日付記)
8月31日より、スロープについては1/20の勾配で改善工事が行われています。


小池知事に手紙を届けました

8月12日、霞ヶ丘アパートに生活する住民2名が都庁に出向き、東京都政策企画局課長(秘書)に知事宛の<手紙>を手渡しました。手紙には、1964年東京オリンピック開催に伴い、戦後荒廃のままであった諸々住宅が整備され「霞ヶ丘アパート」が建築された当時の様子、そして、2020年オリンピックに際し新国立競技場新設のため再度の移転を強いられた経緯や現状が綴られています。
また、住民の気持ちや実状を軽視する東京都の姿勢がまかり通っている中、小池知事の<都民ファースト>への期待も記されています。


2016年8月27日土曜日

霞ヶ丘アパート解体が進んでいます


3世帯の方がそれぞれの生活を継続していますが、5月9日東京都は解体工事に着手し工事を進めています。
現在、4号棟・1号棟・3号棟の解体が終わり、7号棟解体に着手しています。
また、団地のシンボルともいえる給水塔の解体も行われています。
(居住者には別経路で給水が行われています)
解体工事は入札なしの随意契約で大成建設が受注し、12月15日までの契約となっています。
東京都は住民の要望を認めようとしていません。

2016年8月9日火曜日

都営霞ヶ丘アパートの件に対する東アジア強制立ち退き法廷からの勧告

2016年7月に台湾(台北)で開かれた東アジア強制立ち退き法廷から都営霞ヶ丘アパートの件についての勧告が出されました。同法廷は、今年10月に20年ぶりに開催される国連人間居住会議(ハビダットⅢ)に合わせ開かれる第5回国際強制立ち退き法廷に向けてのものです。裁判員団は、学者・弁護士・都市計画家・社会運動家などから構成されています。この勧告は東京都・JSC・IOCをはじめ、様々な関係機関に送付され、また勧告が履行されているか定期的に調査が行われます。
****************
The eviction of Shinjuku Kasumigaoka-cho public housing complex under Olympic 2020 Stadium Project, Tokyo, Japan:

In the case of Shinjuku Kasumigaoka-cho/Olympic 2020 stadium, the human rights of the victims have been violated and the community of 230 families had been living in fear and at the end 227 families are forced to leave their houses, by the following factors:

1) The community was not adequately consulted by Tokyo Metropolitan Government (TMG) and Japan Sports Council (JSC)
2) Most of the evictees were aged population, and of the 227 families who were relocated, the location and the apartment could not fit the expectation of residents.

Specific Recommendation:

1) TMG should stop any eviction efforts at Kasumigaoka-cho and let 227 families to return to Kasumigaoka-cho per their wishes.
2) TMG and JSC should respect right of everyone to the enjoyment of the highest attainable standard of physical and mental health and also take part in the cultural life, therefore TMG and JSC should restore public access, especially for 3 families who now live at Kasumigaoka-cho, to the Meiji-park.
3) International Olympic Committee need to ensure to enact no-eviction policy for any host-city in the future.


国立競技場(オリンピックメインスタジアム)計画による新宿区霞ヶ丘町都営霞ヶ丘アパートの立ち退き

霞ヶ丘町及び国立競技場のケースにおいて、被害者たちの人権は侵害されており、230世帯の共同体は恐れの中で暮らし続け、最終的に227世帯が強制的に彼らの住まいから移動させられた。以下の要因が指摘される。

1、居住者たちは東京都とJSCから適切な相談をうけていない。
2、立ち退きにあった227世帯のほとんどは高齢者で、その立地と住宅は居住者の期待に適合していない。

具体的な勧告

1、東京都は霞ヶ丘町におけるあらゆる立ち退きへの画策をやめ、居住者の希望があれば227世帯を霞ヶ丘町に戻れるようにしなさい。
2、東京都及びJSCは身体とこころの健康及び文化的生活を高水準に享受するための万人の権利を尊重すべきだ。従って、東京都とJSCは、特に霞ヶ丘町に今も住む3世帯ために明治公園へのアクセスを回復すべきだ。
3、IOCは今後の開催都市のために<反立ち退き方針>を制定することを確約すべきだ。


東アジア強制立ち退き法廷 http://www.taafe.org.tw/iteea2016/
FB https://www.facebook.com/TAAFE.TW/