2016年3月10日木曜日

霞ヶ丘アパート解体工事の看板が立てられました

霞ヶ丘アパートでは2世帯が生活を続けています。また、まだ引っ越しの整理を終えられていない世帯もあります。
そのような中で、突然以下の掲示が行われました。



東京都都市整備局の入札結果情報(http://oss.avantage.co.jp/bid/?p=78715)を見てみると驚くべきことがいくつも分かりました。
2月23日に「都営霞ヶ丘アパート敷地整備工事」が、競争入札も行わず特命随意契約で大成建設に決まっています。
特命の理由の中に「本工事は、都営霞ヶ丘アパートの敷地を新国立競技場建設の際の作業ヤード(ダンプ待機場所・資材置き場・屋根地組用地等)として使用するための準備として都営霞ヶ丘アパート(10棟)の解体等を行うもの」とあります。
このことは、今までいかなる説明会においても、また霞ヶ丘アパート住民に対しても都・JSCは説明を行っていません。
霞ヶ丘アパート敷地は、JSCが設置した有識者会議において、2012年7月、一方的に国立競技場の関連敷地とされました。その理由として周辺駅からのバリアフリールートや災害時などにおける競技場来場者の人だまり空間があげられていましたが、それらはキレイゴトで実際は建設工事の作業ヤードに利用するのが主目的だったことが明らかになりました。これは、住民を騙したものと言えます。
特命の理由として「2世帯が居住する2棟を残した中で工事を進める」「作業ヤードとして利用する時点においても工事が継続される」とも書かれています。
住んでいる人がいるにもかかわらず周囲の棟を解体し、ダンプ待機所や資材置き場として使うのは、言うまでもなく危険であり人権侵害です。また、生活環境を著しく損なうことで移転を強要する許しがたいやり方です。
「2世帯については、移転先が決まっていないことから、これまで折衝を重ね」とありますが、東京都はこれまで幾度となく説明を拒み、住民に嫌がらせ行為を繰り返してきました。(http://tiny.cc/bviy9x参照)
今回の事業が公共事業の原則である競争入札を行わず、大成建設だけを指定した「特命随契」であることにも疑問があります。
まず、要件を満たす者が1つに限られることを理由として特命随契を行うには事前に公募をし、応募者がいないことを確認する必要がありますが、それらの手続きを怠っています。競技場に関連する工事は建設工事と一体的に施工する必要があるのでしょうが、それは同じ会社である必要の理由にはなりません。この理屈が通れば、すべての関連工事は大成建設が随意契約をできることになってしまいます。
また東京都はJSCに対して、明治公園のように無償貸与する契約を結んでいるのでしょうか?このことも説明が行われていません。

私たちは、居住者がいる間の霞ヶ丘アパート解体工事の中止を強く求めます。

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都営霞ヶ丘アパート敷地整備工事

工事発注者 東部住宅建設事務所(所長 堀江信之)  03-3256-2290
工事受注者 大成建設(東京支社 地球環境チーム 郡司友夫) 03-5381-5394