2016年6月3日金曜日

2020東京オリンピック時に、霞ヶ丘アパートは公園ではない

5月31日千駄ヶ谷区民会館で「神宮外苑地区に係る都市計画案の説明会」が開かれました。
質疑応答において、霞ヶ丘アパートについていくつかのことが分かりました。

1、霞ヶ丘アパート敷地は、解体後から2019年11月(新国立競技場竣工予定)まで工事ヤードとして使う。
2、その後、2020年夏の東京オリンピックまで、組織委員会が大会運営用地として使う。
3、2020東京オリンピック終了後にどのような公園にするかを考える。

霞ヶ丘アパートは、都立明治公園霞岳広場が新国立競技場によって失われてしまうからその代替の公園敷地として必要だという説明をこれまで都やJSCはしてきました。
当然ながら霞ヶ丘アパートから移転をされた多くの方は解体後はすぐに公園になるものだと思っていたはずです。また、新国立の工事中、広域避難場所が近辺から消失してしまうために、霞ヶ丘アパートが公園になることをご自身に納得させて移転を承諾した方もいたはずです。
しかし、実際には国立競技場建設のための工事ヤード(資材置き場、ダンプ待機場所)です。
このことは解体工事を大成建設に決定した特命理由書の中で明らかになったことですが、姑息なことには、それは東京都が住人に対して退去期限とした2016年1月末以降のことです。霞ヶ丘アパート住民に対して、一度も都はそのような説明をしたことがありません。
また、今回の説明会で新たに2019年11月から組織委員会が大会運営用地として使うことが分かりました。しかし、組織委員会に問い合わせても現在お伝えすることはありません、という回答でした。
何に使うのか不明ですが、いずれにせよ、オリンピック時は公園とはほど遠い更地だと思われます。
霞ヶ丘アパートを壊しただけのその光景を見るとき、この地に長く暮らしてきた人たちは、JSCや東京都の底意をどう感じるでしょうか?

霞ヶ丘アパートの移転は、住民に対して、解体後の計画を正確に伝えないまま押し進められました。そして、誤ったイメージを持ったまま多くの住人が移転をしていきました。
東京都は、この点においても説明責任を果たさなかったことは明白です。

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*説明会資料はこちらでアップされています http://bit.ly/25G0NKU
*計画案に対する問い合わせ・意見書提出先(6月15日まで)は以下をクリック